あなたは、オールデンの靴をご存じだろうか。
お存じない方も多いと思うが、米国の革靴メーカーである。
歴代の米国大統領もここの靴の愛用者がいる。因みにオバマはアレンエドモンズを愛用している。
このオー ルデン社は、1884年に同国マサチューセッツ州で産声をあげた。
現在で4代目の同族企業でもある。
このオールデンの魅力は何と言ってもコードヴァンと呼ばれる農耕用馬の臀部から採れる皮革を潤沢に使っている点である。
一般的に革製品はタンナーと呼ばれる皮を提供する業者より各革製品メーカー が仕入れ、加工して販売している。
皮を革にするのがタンナーの役割である。
オールデン社のタンナー は一貫してホーウィン社であり、そのコードヴァン革を採用している。コードヴァンはなめす工程が 厄介であるため60~70年代にホーウィン社を除くすべてのタンナーが撤退した。
経営が芳しくなかっ たホーウィン社がコードヴァンからの撤退を検討していた際、2年分の革をオールデン社が一括で買い取ったという美談が残されている。
そのような逸話のある名靴オールデンは、99,750円と決して安くはない。(増税前)
しかし、そんな事情も知らずかオールデンの靴は、私の物欲を鷲掴んでくる。
恐ろしいほどに。
結果、7足保有している。
初めに購入したのは25歳の時だったので古い靴だと数十年の付き合いになる。
私の所属する「靴ヲタ」界隈では、
『1万円の靴を3足見 送り、3万円の靴を。3万円の靴を3回見送り、9万円の靴を購入する ことはダンディになるための賢い方法である』(落合正勝/服飾評 論家)
などと洗脳を受ける。
この洗脳は未だ私を解いてはくれない。
しかし、良い靴はとても長持ちするのも事実である。
そしてそれなりの御仁から、それ なりの評価を受ける。
初めて大きな会社へ営業に行った際、女性の取締役から「あなた、良い靴履い ているわね」と言われてのぼせたことを思い出す。
またホテルマンは靴とカバンと時計のバランスで客を見るとの都市伝説もあるほどだ。
これらは悲しい男の見栄の世界である。
妻に認めれない夫の終着点とも言える。
下の写真は円高だった2011年 に渡米し、サンフランシスコの直営店で4万円程で購入した時の物で ある。高級靴は日本で購入することが世界一割高なのである。
そのような逆風が吹くのは靴好きにおける日本市場だけでなく、私の家庭でも同じなのである。